九州全線制覇旅行記(part3)



11月14日


1.「かもめ6号」

 朝8時過ぎに宿を出て、長崎駅でお土産を物色して、発車5分前に、ホームへ入った。すでに博多行きの白いかもめは停車していた。885系である。外観をカメラにおさめてから乗りこむ。さすがにきれいな車両だ。8時半定刻通りに発車した。ポイントを渡る為に速度は上がらずに、浦上に到着。ここで、グリーン車がほぼ満席となった。浦上を出ると、一気にスピードが上がる。トップスピードでトンネルに突入。すでに130キロになっているのであろう。トンネルを出ると、今までの長崎の町並みは?と言う感じで、山間に出てしまった。8時47分諫早に到着。島原鉄道の車両を見ることが出来なかった。すぐには発車。

諫早を出て、しばらく進むと海岸線に出るようになった。有明海である。そのためか急カーブが多く、かもめも速度が上がる事が少なかった。平均時速は80キロという感じであった。この長崎線にも海に近い駅があった。小長井駅である。ここもベスト駅に入りそうである。40分間の無停車走行が続き、9時25分肥前鹿島に到着した。ここで、グリーン車が全て埋まった。ここから、スピードが上がり出した。9時34分肥前山口に到着。ここで、1人の車掌が降りていった。ここから先が忙しくなるのに…。と思っていたのだが…。

肥前山口を過ぎると、まっすぐな路線になるため、スピードも速い。しかも速いのでかなり揺れる。9時45分佐賀に到着した。さすがにグリーン車には、乗りこんでこなかった。自由席の状況が気になるところでもある。かなり乗りこんでいるのであろう。佐賀線跡に別れを告げ、一気に駆け下る。やはり革のシートは、高級感を感じる。あっという間に鹿児島本線に入り、10時18分博多駅に到着した。


2.博多南線

 ここからは、JR九州を離れて、新幹線の博多南線に乗ることにした。これを完乗すれば、九州のJR線をすべて制覇したことになる。まずは、博多南までの乗車券と特急券を購入する事にした。片道290円。新幹線に乗るのにこの値段は安い。まだ1時間近くあるので、駅前をぶらぶらして時間をつぶすことにした。

11時10分頃に博多駅の新幹線ホームへ入ることに…。すでに博多南行きの新幹線は停車していた。0系の6両編成、リニューアル車であった。久々の0系でもあり、感動して乗りこんだ。さすがに改造はされているが、0系である事に間違いなく、うれしかった。乗客もガラガラで、快適に過ごせそうだ。11時22分定刻通り、発車した。床下からエンジン音が聞こえ出し、ゆっくりと加速していった。さすがに200キロを出す事はなかったが、100キロ近くは出しているのであろうか。住宅街を走っていた。約10分で博多南駅に到着した。新幹線の駅というより、ローカル駅と言った感じだ。駅前には、住宅街や小さなデパートもあり、想像以上にいろいろなものがあったのには、驚いた。しかし、すぐ先は、山が迫っていた。

駅は、車両所の隅のほうにある。そして、九州新幹線の延長部が少し出来ていた。それから駅員がJR九州の人だとは知らなかった。新幹線は、JR西日本のはずなのに…。車両所には、0系の無残な姿があった。それをカメラに収める勇気がなかった。また500系や100系もあり、いろいろな車両があるので、楽しめた。発車時間が近づくと、駅にたくさんの人が集まり始めた。しかも大相撲九州場所が行われている為か、2人組の力士の姿もあった。新幹線で土俵入り…良いかもしれない。12時前に改札が行われた。行きとは違いたくさんの乗客がいた。

一番前の席に座ることにした。2−2列シートはやはり楽である。力士が反対側に座っていたが、さすがに、一緒に並んで座る事はなかった。12時02分、発車しようとしたが、乗り遅れた客をひろった。さすがに1時間に1本だから、仕方がないのかもしれないが、これが本当の新幹線ホームだったら、問答無用に無視されて発車するのであろう。博多南線は、新幹線らしく見えない路線でもあった。誰でも気軽に新幹線乗車が出来ると言ったような雰囲気でもあった。西鉄の高架をまたぎ、JR線が高架下に見えてくると、博多駅に到着した。ほとんど全員が降りてしまった。そして、自由席のこだまの為か、ここから乗りこんでくる客も多かった。


3.「ソニック23号」

 すぐに新幹線ホームから在来線ホームへ行く。すると、電光版に12時05分発のつばめ号の案内がまだ出ていた。ひょっとして…。と思い、すぐにソニックが来る2番線に行ってみた。しかし、ソニックの方は、定刻通り入線してきた。883系のシルバー色をした5両編成であった。入線当初駅の案内放送があり、鹿児島本線の大牟田で架線事故があったらしく、接続の「つばめ」が大牟田で停車中。と案内があった。かなり遅れるのであろう。昨日でなく、非常に助かった。

安心してグリーン車に乗りこむ。半分くらいの乗車率であった。結局、「つばめ」には接続せず、12時25分定刻通りの発車となった。これで、ひとまず、大分までは時間通り着く事が確定した。さすがに電動リクライニングは新鮮だ。ただ、リクライニングスピードが遅いから、そこが難点か?883系は先ほどの0系新幹線よりも速く感じた。香椎を過ぎてから、乗務員からのドリンクオーダーと弁当注文が来た。今回は念願がかなってソニック弁当が手に入った。またドリンクが缶だったのが、ショックであった。つばめのようにソニック専用の紙コップがあったのに、どうしたのであろうか?やはり白いソニックがあるから、なくなってしまったのであろう。

さすがにソニックは速い。130キロ運転はあまり見られなかったが、カーブでも落とさないのが、速さにつながるのである。時々パノラマキャビンで時速をチェックする事にした。110〜120キロの間で走行しているのが多かった。折尾に到着してから弁当をもらい、小倉で方向転換する前に一気に片付けた。13時11分小倉に到着した。

ここで、方向転換。乗客も乗り込んできた。4分ほど停車してから発車した。今度は、前面展望になるため、ずっとパノラマキャビンにいる事にした。運転手の挙動がはっきり見えて、気持ちが良い。ただ速度計が見にくいのが残念だが、前面展望が出来る分、最高である。すれ違い列車は、ソニックが多く、普通列車は、ほとんど415系などであり、813系などを見る事がなかったのが残念だ。行橋を過ぎると、左手には、海岸線が見え隠れしていた。それも中津、柳ヶ浦まで続いた。そこから先は、山並みがはっきりと分かり、宇佐から山間に入っていった。すぐに長いトンネルに入る。しかもすごく長く、出口が全く見えなかった。これは、出るのにかなりの時間を要した。前面から見ていれば、トンネルの長さの不安もなくなる。もうすぐ出る、というのが分かるし…。

立石から中山香までは単線になった。しかし、単線になっても振り子で速度が80キロ以下にはならなかった。14時16分杵築に到着。ここで国東半島を越えた。ここからもまた単線になった。日出駅を出ると、やっと複線に戻った。そして、暘谷駅を出ると、別府湾が広がってきた。もうすぐ下車駅に近い。山がなくなったのか、ソニックも一気に速度を上げた。14時26分亀川に停車した。ここの構内には、次に乗る「ゆふいんの森」が停車していた。そして、別府大学を通過し、高架を駆け上がると、別府駅に到着した。「ソニック」は、すぐに発車していった。


3.ゆふいんの森4号

 駅のホームには、「ゆふいんの森」に乗る乗客が結構いるようだ。グリーン車がないから指定席を確保してあるので、別に慌てる事はないが、早く乗りたいという気分になってくる。しばらくすると、案内放送が流れ、ゆふいんの森がゆっくりと到着してきた。足回りがキハ58のため、さすがにボロであるが、外観だけでは別物と言う感じだ。早速乗りこむと、やはりちょっとロートルかな…という印象が出てきた。ハイデッカーだが、新ゆふいんの森に乗った経験があると、シートピッチの狭さや中身に少し疑問を持つようになってしまった。人間は楽をするといけない、と思えてくる。

定刻14時40分発車した。別府湾が見え出してくるのだが、反対方なので、じっくりと見る事が出来なかった。先ほどのソニックに比べると非常に遅い。この区間は、9分がソニックなのに、13分もかけて走る。かえってこれだけゆっくり走る方が良いのかもしれない。それだけ列車の車内での楽しむ時間が増えるからだ。14時53分大分に到着した。ここで大量に乗車してきて、指定席がほぼ埋まってしまった。由布院までの乗車がほとんどであろう。大分を出てから車内放送があった。客室乗務員が4人乗り込んでいる事が分かった。前に乗ったときは、二人しかいなくて、びっくりしていたが、やはり、1車両に1人が「ゆふいんの森」では合っている感じだ。しばらくしてから、おしぼりやキャンディーのサービスがあった。

平坦な路線を走っていたが、豊後国分からは、山岳地帯へと入って行くようになった。ここで、一気に速度も落ち始めた。足回りが急行型だから仕方がないのだが…。ゆっくり走って、15時47分由布院駅に到着した。ここでほとんどの客が降り、逆に乗り込んでくる乗客もかなりの列を作っていた。客室乗務員の人に見送られ、すぐに由布院の探索に出かける事にした。

由布院では1時間強しか時間がない為、レンタサイクルを借りる事にした。さすがに繁華街の所までは、歩きよりは自転車の方が短縮できる。まずは、土産物を物色してから、金燐湖へ向かった。この時期だから紅葉か…。と思ったのである。自転車で約10分ほど進むと、金燐湖に到着した。紅葉がきれいであった。その前に、下ん湯温泉があるため、覗こうとしたが、おばちゃんの声がしたので、これは、ヤバイと思い、入る事を断念した。そのために、金燐湖で時間をつぶし、17時前には、由布院駅に戻ってきた。由布岳もきれいに見える事がなかった。天気が良いときに来たいものだ。


4. ゆふいんの森6号

 駅に着いて、しばらくすると、改札が始まった。すでに列車の扉が開いていた。やはり、自分乗る車両だけたくさんの乗客がいる。マルスの悪戯であろうか?それにしても満席に近いのにはうんざりと言う感じである。やはり新型ゆふいんの森号は、きれいである。連結部もつり橋みたいになっている。シートピッチも広く、こちらの方がゆったりとしている。ゆふいんの森号も新型になれてしまうといけないものだ。17時04分定刻通りに発車した。すぐに車掌が車内改札をはじめた。そのときに、鹿児島線の遅れを聞いたが、たいした事がないという事であった。

メニュー表を見ると、11月に一新したらしく、新しかった。チェックをしてみると、弁当は変わらないが、おつまみ系が変わっていた。早速地ビールと生ハムとチーズを頼む為にビュッフェへ向かう。2号車へ入ると、ほとんど空席ばかりだった。そこを通りぬけビュッフェへ行くと、数人が並んでいた。やはり、つばめのビュッフェと比べるとかなり小さいが、このようなスペースは非常に有り難い。恵良駅を通過した。ここは、宮原線の分岐駅。廃線の跡が非常に寂しかった。リゾート車両からだとなおさらと言った感じである。豊後森に近づくと、今にも崩れそうな機関庫を発見した。このようなのを残しておくべきだが、どうなってしまうのであろうか。天ヶ瀬の近くでやっと希望の商品をもらえ、席で落ち着いて食べる事にした。しかし、前回よりも量が減った感じがした。前のときは、もう少しボリュームがあったはずなのだが…。にしても、このように暖かいメニューが食べられるのも良いものだ。

この車両には3人の客室乗務員がいた。旧型より人数が少ないのが特徴であった。ビュッフェで立っていて分かったのだが、足回りは、キハ200のため、加速などは速いのだが、線型が悪いのか揺れが相当ひどかった。ここだけを直すと快適なたびになるのだが…。日田駅では乗る客がなく、すぐに発車した。またビュッフェの営業が鳥栖までである事を放送していた。一番気に入ったワゴンサービスは、ワインのフルボトルとグラスを持った乗務員の人がワインをついでいたことだった。さすがに観光列車と言った感じだ。ビールを飲んだ為、ワインを頼む事はなかったが、これは、良いサービスである。辺りはすっかりと暗くなり、どこを走っているのか分からないが、平坦な路線の為かすごく飛ばしていた。18時38分停止信号に阻まれる事なく、久留米に到着した。やはり、新型ゆふいんの森は、最高だった。


5.有明41号

 久留米駅のみどりの窓口でグリーン券の変更を行い、18時54分発の「有明」に乗ることにした。来たのは、787系の4両編成であった。混雑をしていたのか、指定席のデッキからも降りる客が多かった。すぐに半室指定席を通りぬけて、グリーン車へ向かった。グリーン席は、2人しかいなかった。787系有明仕様のため、つばめ仕様とはちがい、案内表示などがあり、これは、分かりやすかった。すぐに車内販売がきて、ドリンクサービスがもらえた。久留米乗車は正解である。これが、大牟田からだったら、もらえなかったであろう。

大牟田を過ぎて、荒尾に到着したときから、雨が降ってきたようだ。今までは何とか天気がもっていたのだが、とうとう落ちてきた。しかもかなり降っているように感じた。19時50分熊本に到着した。さすがに降りる客が多かった。って、終点だから当たり前か…。駅を出て、飲食街を探すが、20時を過ぎると、店じまいの所が多かった。これから…と言う時間なのに、とおもってしまう。今日は熊本で宿を取る事にした。






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